看護師として働く上でのDeep Skill

読んだ本

こんにちは。
本日和管理人のSAKIです。

今日読んだ本はDeep Skill(石川明著)です。
この本はサブタイトルに「人と組織を巧みに動かす 深くてさりげない『21の技術」』」とあり、いわゆる組織改革をするノウハウ本なのかなぁと思いながらも手に取った1冊です。

この本を手にした当時は、総合病院でGCNS(老人看護専門看護師)として勤務しており、役割として現場のケアを変える!という思いが強かった時期でした。
組織を変えるなんて大きなことをしようと意気込んでいたのでノウハウを知りたかったのです。

しかし、実際に読み進めて行くと、看護師として専門職としての態度を見直すきっかけを与えてくれた1冊となりました。

今回は内容についてというよりは、私が得た気づきを共有できたらいいなと思います。
ぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです。

あなたにとって「仕事」とは何ですか?

さて、まずはこの記事を読んでくれているあなたに質問です。
「あなたに取って仕事とは何ですか?」

お金を稼ぐ手段、自己実現の手段、好きなこと・・・など色々と答えが返ってくるかなと思います。
この本では「仕事とは、誰かの“不”を解消し、喜んでもらって、その対価をいただくこと」と書かれていました。

なるほど!仕事ってやっぱり人のためにすることなんだ。
と、妙に納得しました。
私は看護師としての仕事を続けるかどうか、いつも悩んでいました。
悩んでいるときは「自分には看護師は向いてない。そもそも看護の仕事そんなに好きじゃない・・・。」と自分のことばかり考えていました。
それが、この本の仕事の定義を見たときに気づいたのです。
どんな理由があったにせよ、看護師の資格を得た私ができることを「誰かのためにやる」ことが大切なのではないかと。

かの有名なフランクルの「夜と霧」という本でも「人間は人生から問われている者である」と書かれており、つまりは「自分の人生に与えられた固有の使命(ミッション)をまっとうして行く」と述べられています。

人によっては「自分の好きなことをやるのが一番!」という考え方もあるかと思いますし、それが間違っているというわけではないのですが、私自身はこの「人のために」という考え方がしっくりきました。

自分のやりたいこと、なりたいことを探し続けていたのですが、まずは「人のために自分ができることは何か?」という視点に戻ろうと思いました。

正論は自分のために用いるもの

私が総合病院で勤務しているとき、自分が考えていることと現場スタッフが考えていることが異なることが多々ありました。
そのとき、私は「(教科書的には)こうするべきなのに・・・」という考えがどこかにあったような気がします。頭でっかちな私はついそういう思考になりがちです・・・。

この本を読んで、私がうまく立ち回れなかった理由がわかりました。
それは「正論は自分を律するために用いるべきものであって、他者に押し付けようとしても反発されるだけ」という一文でした。
まさにそう!!目立った反発はなかったものの、助言したことがなかなか実行されていなかった背景には現場スタッフの反発した気持ちがあったのかもしれません。

そもそも、何事にもそうですが「これが正論!」っていうことって案外ないものですよね。
正論だと自分が思っているだけの話。

相手には相手の価値観があって、その人なりの正論がある。
そう考えると、一方的に正論(と思っていること)を押し付けても何の解決にもならないですよね。

看護の世界って、色々不満がたくさんあって、上層部と現場でぶつかってることが多々あるように思います。大体は上からの正論を現場に押し付けるから反発が大きいんですよね〜。

この本、是非上層部の方々に読んでいただきたいなと思ってしまいました(笑)

一方に手に「専門性」を、もう一方の手には「感情」を

看護師として病院で働いていると、そこには「生活」という言葉がなくなっていることに気づきます。
病院内のケアには「生活の視点」がどうしても欠けてしまう・・・そう感じています。
看護師とは?という話に立ち返るのですが、そもそも看護とは「生活」の場から発生したものであるはず。

ケアする場が病院であれ、施設であれ、「生活」の視点はなくてはならないものだと私は思っています。

そのために私たちができることは何か?
そのヒントがこの本には書かれていました。

「普通の人」の「普通の生活」の中で、自分の中に生起する「感情」をきちんと味わうということ。

私たちが当たり前に生活できていますが、その当たり前の中で沸き起こる感情に静かに目を向ける、そういうことがとても大切なのだと思います。
自分の感情を自覚することができて初めて、他者の感情にも気付くことができるのではないでしょうか。

私たちはつい専門職であるがゆえに自分の感情を押し殺してしまうことがあります。
時にはそういうことも必要かもしれませんが、日常ケアにおいては感情豊かな方がいいケアができるように思います。

専門職である前に、私たちは普通の人間です。
その感情も大切にしていきたいですよね。

最後にこの本で一番心に残った言葉を添えて終わりにしたいと思います。

「一方の手に『専門性』を、もう一方の手に『感情』を」

看護職の皆さん、いつもお疲れ様です。
今日の記事を読んで何かしらのヒントになれば幸いです♡

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