フレイル予防〜最高の老後を迎えるために〜

高齢者ケア

こんにちは。本日和管理人のSAKIです。
本日は看護師らしく、高齢者ケアに関連したテーマでお話をしていきます。
参考にした書籍はこちら↓
「最高の老後ー「死ぬまで元気」を実現する5つのM」(山田悠史著)

著者は米国老年医学・内科専門医であり、今現在も高齢者診療に従事している現役のお医者さんです。
最新のデータに基づいて言及されており、すごく勉強になる1冊でした。

今回は「フレイル」についてお話をしていきます。
最高の老後を迎えるために重要になってくる「フレイル」というキーワード。
ぜひ最後までお読みいただけると幸いです♡

「フレイル」とは何か?

フレイルとは、「要介護状態に至る前段階として位置づけられるが、身体的脆弱性のみなら ず精神心理的脆弱性などの多面的な問題を抱えやすく、自立障害や死亡を含む健康障害を招きやすいハイリスク状態を 意味する。」(厚労省HPより)と定義されています。
なんだか説明が長くてわかるような、わからないような・・・という感じです。
著者はこれをわかりやすく「フレイルとは、『老化に関連した生理的な衰退』を意味します。」と述べています。

下のイラストは「臨床フレイルスケール」と呼ばれるものです。
フレイルスケールが高くなるほどより重度のフレイルがあると表現します。

この「フレイル」の評価は年齢以上に身体昨日の悪化や死亡率をより正確に予測することができるとされているようです。
年齢だけで見ると、例えば同じ80歳でも自立して歩行できる人もいれば車椅子生活の人もいますよね。
一方で、同じフレイルのレベルの人を比べれば死亡率が似てくるということです。

よく医療の現場では「もう90歳なので手術せずに保存的治療で様子見ましょう」などと医師がお話をする場面が見られるかと思います。
しかし「老化は千差万別」。
年齢だけでなく、フレイルも評価して総合的に判断していくことが望ましいのは言うまでもありません。

フレイル予防の視点「5つのM」

ここまでフレイルについて述べてきましたが、
・フレイルになるとどうなるのか
・そしてフレイルを予防する手立てはあるのか
についてお話していきます。

まず、フレイルになるとどうなるのかについてですが、フレイルがあると病気にかかりやすく、治療の合併症のリスクも高いことが知られています。
そして65歳以上の約1割がフレイルの状態にあり、4割ほどがプレフレイル(フレイルの予備軍)であると報告されています。
意外に多いですよね!

次に、フレイルを予防する手立てはあるのかについてですが、結論から言うと「あります!」
この本のサブタイトルにもある「5つのM」というのがポイントになります。
5つのMというのは米国老年医学会が提言する健康な老後に不可欠とされている視点です。
1つずつ見ていきましょう。(こちらの記事も参考にしてください⇨

Mobility【からだ】

Mobilityとは身体の機能、「どのくらい動けるか」を指します。
身体の機能に合ったサポートを活用したり、転倒を未然に防ぐ視点が大切になります。
高齢者の転倒は本当に気をつけなくてはなりません。
「一度の転倒で人生が変わった」と語る高齢者も実際に多くいます。

Mind【こころ】

Mindは、「心」や「知性」を意味するとともに、ここでは認知機能や精神状態を指します。
認知症やうつ病は高齢者に多く見られる疾患です。
身体は元気でもMindが元気出ないと結局は人の助けがなくては生きていけません。
Mindについても評価を適切に行い、未然に予防できることが大切です。

Medications【くすり】

高齢者にになると実に多くの薬を内服しています。
薬だけでお腹いっぱいになるんじゃないかっていうくらい・・・。
薬だから身体にいいのでは?と思うかもしれませんが、1日に服用する薬の数が非常に多い状態を「ポリファーマシー」と呼び、高齢者診療の間では非常に問題視されています。
本当に必要な薬を最小限だけ飲む。
薬と上手に付き合っていくことも大切な視点です。

Multi-complexity【よぼう】

Multicomplexityは一般的には「多様な疾患を抱えた状態」を指しています。
ここではそれを未然に防ぐという視点で「よぼう」という言葉をあてたとのことです。
高齢になるにつれて複数の疾患を抱える方が増えてきます。
加齢に伴う疾患もありますが、予防することができる疾患も多くあります。
病気を未然に防ぐ、また病気との付き合い方も大切な視点です。

Matters Most to Me【いきがい】

これは「私にとって最も大切なこと」という視点です。
日本では「いきがい」と表現したりしますよね。
人それぞれ望むゴール、あり方は異なります。
個々人の「いきがい」を大切にしていくことも最高の老後を迎えるためには欠かせない視点です。

本書では、この5つのMについてより詳しく解説がされており、それぞれのMについて「老化で起こること」と「最高の老後を迎えるためにどうするか」という2つの視点でまとめられています。

一般市民の方向けに書かれていますので、すごくわかりやすいです。
私も40代になりすごく加齢を実感することが増えてきました。
老後に向けて今から実践できることをやっていくつもりです。

また、看護師の方が読むことで、高齢者ケアのヒントにもなりますので是非お読みください^^

ではまた♡

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