今回はコーチングについてのお話です。
参考にした本は「聴き上手が人を動かす(清水隆一著)」です。
コーチングの知識・スキルはまだまだ未熟な私ですが、
この本を読んで実際に現場で活用した経験をお話していきたいと思います。
看護においてコーチングは有効か?
結論から言うと、すごく有効です!
コーチングスキルを活用することで、スタッフのモチベーションもUpし、
結果として患者さんにとっても良いケアが提供できます。
具体的な例は最後にお話するとして、まずはコーチングスキルについて
お話をさせてください。「人を動かす」ための3つの法則
著者は、「人を動かす」ための3つの法則を紹介しています。
① 観る
- 個性を尊重する
- 「名前+挨拶」といった声かけをする
- 「調子はどう?」などの問いかけをする
- いつも観ていると言うメッセージを送る
- 違いを見分ける
② 聴く
- 否定せずに最後まで聴く
- 「ペーシング」を使って話しを促す
- 相手の思いを「発散」させる
- 「オープンクエスチョン+沈黙」で気づきを起こす
- 「クローズドクエスチョン」で相手の思いを確認する
③行動を促す
- 良いところだけをピックアップしてほめる
- 状況に応じて提案やアドバイスをする
- ミーティングで動機づける
- ときには小さな成功体験を促す
- 共通認識を持ち、方針を打ち出す
ズラーっと書いていますが、なんとなく理解できるかと思います。
特に「観る」の項目は当たり前といえば当たり前のことですよね。
技術というよりも人としての関わりの大前提ともいえます。
順番が前後しますが、そもそもコーチングの目的は
「相手が答えを持っているという大前提の上で、
質問や受け答えを通して、相手に気づきを与え、
自ら行動させること」
です。簡単に言えば相手が持っているものを引き出す。
それがコーチングですね。
実際の活用例
最後に、実際に私が活用した例を紹介したいと思います。
事例についてはプライバシーの観点から詳細は大きく省きます。
ある病棟での出来事です。
認知症を患っている患者さんとの関わりにスタッフは頭を悩ませていました。
夜間になると患者さんが起き上がり、せん妄状態になるとのことで
抑制をするしか方法がないとのことでした。
そんなとき、私のもとに相談があり介入することになりました。
私が介入したことは以下の通りです。
- まずはスタッフへ労いの言葉をかける。→法則1
- 何が起こっているのか最後まで話を聴く(口を挟まない)。→法則2
- そうすることで相手の思いを吐き出してもらう。→法則2
- 毎日病棟へ行き、少しでもいい変化があったらそれを伝える。→法則3
- タイミングを見てアドバイスをする。→法則3
- 良い関わりをしているスタッフがいたら本人へ伝える。→法則1、法則3
- スタッフの頑張りを師長へ伝える。→法則3
- 師長へ伝えるときには看護記録を見せて具体的に伝える。→法則3
このように3つの法則を活用しながら実際に関わりを継続しました。
最終的にはスタッフが主体的にどのように関わったら良いのかを考え、
この場合は「声かけの仕方」がポイントだったと気づき、
本人が夜間起き上がったときに制止するのではなく、
「どうしましたか?」「トイレ行きますか?」「お水飲みますか?」などと
声をかけるというケアを実践していました。
その結果、患者さんは興奮することもなく、落ち着いて夜間を過ごすことが
できるようになりました。
この成功体験を経験してから病棟のケアは少しずつ変化が見られました。
これまで、私はどちらかというとすぐにアドバイスをしたり、
解決策を提示したりしていましたが、その場合は大体がうまくいきませんでした。
それはきっとケアするスタッフ自身の中で納得がいかない部分があったのだと
思います。
答えは本人の中に必ずある。
そう信じるようになってから私のスタッフへの関わりも少しずつ変化しています。
これからもコーチングについてもっと勉強して良い関わりができたらいいなと思います。
みなさんもぜひ、現場で活用してみてください。
ではまた明日♡
コメント
コーチング!
ほんと、有効ですよね。
労いの声かけ、出来ていることの承認。
上司へ頑張ってることを伝える。
読んでて納得です。これからもやり続けよーっと。
ちゃーさん
コメントありがとうございます~。コーチングは自分にたいしても使える技術だそうです。セルフコーチングというんだとか。私にはセルフコーチングがきっと必要です。お互い、コーチングについて学びを深めましょう!!